キースイッチをホットスワップできるErgodoxの基板を作成して実際に組み立てた話
はじめに
以前、キースイッチとProMicroをホットスワップできるLet's Splitを作った話をしたが、今回はキースイッチとTeensy2.0をホットスワップできるErgodoxを作った話。
誰も作っている人がいなさそうだったので、Kicadで基板データを作成し、工場へ発注をかけ動作テストを行うと行ったなかなかの体験をしたと思う。
年始からコツコツと進めて本日完成したので記事にした。
リポジトリ
該当のPCBのデータはリポジトリに纏まっている。
Holtiteソケットとは
写真のようにソケットをPCBに圧着して、キースイッチやピンヘッダの脚が差し込めるようになる。 実装時の注意点は、スルーホールを突き抜けた際に、部品が曲がってしまうこと。
Build-Log
Ergodoxと作り方は変わらない。キースイッチとTeensy2.0をはんだ付けする代わりに、Holtiteを圧着すれば良い。
なお、当初IOエキスパンダもHoltite対応だと思いこんでおり、自分が用意した基板はIOエキスパンダの部分もHoltite対応のスルーホールのサイズになっているが、はんだ付けする必要がある。
1. 下準備
両手のパーツにダイオードをはんだ付けする。ダイオードの本体が来る面は、キースイッチが設置される面とは反対側になる。
もし向きを間違えても、この時点で問題ないので頑張っていっぱいはんだ付けする。
2. 左手
IOエキスパンダと3.5mmTRRSジャックをはんだ付けする。TRRSジャックの両端のスルーホールも忘れずに余ったリードではんだ付けする。
次にHoltiteソケットを圧着する。Holtiteソケットはとても小さいので、先がきゅっとなっているピンセットは必須。
3. 右手
3.5mmTRRSジャック、USB端子、抵抗をはんだ付けする。
Teensy2.0部分にHoltiteを圧着する。
Teensy2を挿入する。結構硬い。
いよいよ残りはHoltiteの圧着だけだが、画像の列のスルーホールピンセットでそっと真円状にセットしてやり、そこにHoltiteをそっと入れる。
ここがクリアできれば残りの部分にHoltiteを圧着する。
ケースにはめ込み、キースイッチを装着。
Falbatechのアクリルのスイッチプレートは厚みがあるので、スイッチ自体をガッチリくわえ込まないのでキースイッチは非常に取りやすい。
注意点としては、Kaihua Kailh Speed Switchesはスイッチ自体の厚みが足りず適合しないこと。ステンレスのスイッチプレートを利用している人であれば問題なく装着できると思う。
スイッチを装着。気分によってスイッチを変更できるのはとても良い。 普段使うキーはZeal、親指部分はCherry黒軸、あまり使わないModify部分はCherry青軸にしている。
キーキャップをはめて完成
キーキャップを装着して完成。今回はMassdropで購入したThe Amazing Chocolatier Custom SA Keycap Setを装着している。